イラストを担当させていただいた集英社新書「僕に方程式を教えてください」が3/17に発刊されましたので、紹介させてください。
3人の著者(数学指導者、数学者、少年院院長)は小学校算数も覚束ない少年たち(少年院で矯正教育を受けている、年齢的には中学,高校生にあたる子ども達)に
方程式を教えようと奮戦します。その10年間の記録と、矯正教育の仕組み、数学教育論、出院後の困難まで幅広い内容となっています。
分数も分からなかった少年たちが「数学の授業は楽しい」と日記に書き「僕も大学へ行けますか?」と問うまでの道のりは険しくも感動的です。
教えること、学ぶことは人間を丸ごと育てることなのだ…と改めて身の引き締まる思いです。
著者の一人である瀬山士郎先生は数教協の会員で長く水道方式に関わって来た数学者です。
分数を「小学算数の復習」としてではなく、「方程式の解法に必須」の物として数学に嵌め込んで教える授業展開は、私自身目うろこでした。
数学教育に関心を持つ方には、お手にとっていただきたい一冊です。