「これから水道方式の教室をたちあげたいと思うのですが、どんな勉強をすればよいでしょうか」というお問い合わせがありました。
これに対して私が以前開いていた「お母さん算数」のzoom連続講座録画を見ていただきました。
第二回の「たしざんとひきざん」の感想、質問について私がお答えした文章を載せてみます
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〇〇さん
感想ありがとうございます。
では、ご質問にお答えしてみます。
「自動的に計算しない」これ大事です。
慣れれば誰しも何も考えないでも計算できるようになってしまう訳ですが、しかし「計算する手順」だけを覚えても、「この計算は何をやっているのか」が理解できているわけではありません。計算の中には四則演算の意味が隠れて(?)いるのです。
「計算は電卓でやれば良い」という意見も、「テストで点を取れるのは計算だからとにかく早く正確に」も、私にはしっくり来ません。
勿論、電卓を使うなという話ではありません。
まずはこの計算は何を意味しているのか、を最初に学んでほしいのです。
いずれ自動化されても、必要な時に思い出す事はできますので。
さてゼロですが、ゼロは算数数学で扱う数の中で1番の曲者です。
そういう点では〇〇さんの仰る通り、特別です。
ですが、その特別感が子どもの足を引っ張る場合も多いのです。
ゼロには大きく言えば三つの意味づけができます。
①あるはずの物が無い状態を言うゼロ。
3個あったりんごを3個食べたら残りはゼロ個ですね。
②位取りにおいて「空位」を表すゼロ。
インドでゼロが発見(!)された後、記数法が素晴らしくわかりやすく便利になったのはこの働きのお陰ですね。
③基準点を表すゼロ。
これは中1の正負の数を学ぶ時に登場します。
中学生になり、「数学」を学ぶ最初にコレが来るので子どもは面食らいますし、すぐに理解できない(というか使いこなせない)子もいます。
そういう訳でゼロ君はなかなかの役者であり、気難しい性格でもありますが、仲良くなると優秀で頼もしいヤツなのです。
小学校の算数教科書はあまりにも単元が細かく分けられて、あちこち少しずつ学ぶ、まるで「幕の内弁当」のようですよね。
私の教室では、入会を希望する子どもには学力診断を行います。指導者がその子の落として来た学びを拾い上げるために、入会後数ヶ月から数年のカリキュラムをひとりひとりに対して組みます。
このカリキュラムは保護者に丁寧に説明します。
私は入会前に必ず保護者と一対一で面談を行います。保護者の不安、心配もお聞きします。
そして、学びの落とし物が多い子の場合、学校の進度に合わせてやって行くのは当面不合理であることも丁寧に伝えます。
その結果「やはり学校の進度に合わせてもらいたいので他の塾を探します」という方もいます(少数ですが)
それで良いと思っています。
ただし、これは小学生の話です。
中学生も落として来た学びを拾う期間は必要ですが、短期間であらかた拾えたら学校のカリキュラムに合わせて勉強していきます。
何故なら、中学の教科書は幕内弁当のように細切れでは無いからです。
大きくいうと一年ごとに代数、関数、幾何、統計という太い柱をこの順番に学びます。
中1、中2、中3、ともにこの順番で一年を過ごします。
なので、教科書の順番に学ぶ事自体には無理や無駄はほぼ、無いのです。
(以下略)
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以上のようなことをお伝えしました。
もともとの録画を載せていないので、「話が分からない~」となってしまったかもしれません、ごめんなさい。
年に数回は遠隔地からのお問い合わせがあります。
水道方式をもとにした教室が各地に増えてくれたらいいなあ・・と思うのでした。