「コロナ禍での教室」

今年3月、コロナの感染の拡がりと自粛要請の中で一ヶ月間、短時間の個人授業を行いました。

30分ずつ生徒を入れ替えて、手洗いしてもらい、換気、消毒…と神経を使いましたが、これはこれで成果がありました。他の子が気になって集中出来なかった子も、私と一対一だと脇見ができないので、いつもより勉強が進んだのです。何事も悪い面ばかりでは無いですね。

が、事態が更に深刻になった4月に、全員通信教育に切り替えてもらいました。対面指導が一番効果があるのは分かっているのですが、自粛要請もあり、お互いの安全を考えて踏ん切りました。

すると、意外にもこれはこれで良い面がありました。

通信教育はLINEで行いました。プリントは予め郵送しておき、指定されたページを勉強します。できたら画像を撮って、週二回、私のLINEに送る…という約束です。

私はLINE上で採点し、画像と解説を送ります。必要な子には解説動画を作って送り帰します。

約束通り提出してこない子がいるのではないかと心配したのですが、そういう子はごく少数でした。

また、「ここが分かりません」という子には、リアルタイムでチャット上で数式をやりとりして解答まで導くこともできます。これはなかなか良い経験でした。教室でやりとりするより、こちらもゆったり構えて指導できますし(他の子を待たせる事が無い)生徒の方も時間を気にせず、ゆっくり考えて答えてきます。

動画はピンポイントで生徒の質問に答えるものを3分程度で作っていきました。オーダーメイドなので「手間がかかっちゃうなー」とも思いましたが、意外にコスパが良いのです。

というのも、多くの子がだいたい同じ所で躓く(分からなくて困る)からです。
なので、A君のために作った動画がBちゃんにも役に立ったりして、「これは時間をかける価値がある…」とお得な気分になったり(笑)

zoomは、お互いの手元を見ながらやりとりしたい子にだけ使いました。図を書いて量を把握させていく、分数などの指導にはzoomが良いな!と感じました。

大手の塾は即効で動画配信に即切り替えたようですが、実際に受講している生徒の声は「学校の授業と同じで、教科書を読んでるだけみたいな感じ」とのことでした。「質問はできないの?」と聞くと「できるけど…」と下を向くので、質問し辛いのか、質問してもよく分かる説明をしてもらえないのか、なのでしょうね。

また、休校の間、保護者からは「学校からの課題の山にノイローゼになりそうです」という声も聞きました。とりわけ低学年のお子さんは大変だったと思います。通信指導を続ける事で「学校が再開されて駆け足の授業が始まっても、算数(数学)は大丈夫だと安心しています」と言っていただいたのは嬉しかったですね。

6月から対面指導に戻しました。
やはり、生徒の顔を見ながら教えるのが一番楽しいな…というのが本音です。