「テストの点が伸びません…」
中学生の保護者の方から、正直なお声をいただくことがあります。
当塾では、入会の際には学力診断テストを受けてもらい、その結果をお見せしながら現状分析と今後一年ほど(場合に寄っては中学卒業まで)の学習計画をご説明しています。
残念ながら、中学で成績不振なお子さんのほぼ全員が小学校の算数がボロボロです…。
そして、算数という基礎がグラグラなのに、その上に中学数学という大きな(コンクリート製の、ゴツい)ビルを建てて行くのは、なかなかの大事業です。
細かく言いますと…
1/3+2/5が分かっていないのに、1/3a+2/5a
は出来ませんし、
「1000円の30%引き」が1000×0.3になる子が
「b円の30%引き」が解けるはずはありませんし、
「70キロの道のりを行きは時速40キロ、帰りは時速50キロで行きました、往復何時間かかりましたか?」が50+40=90になる子は……
(以下略)
上の例は氷山の一角。
これらの算数での取りこぼしは、学力診断で赤裸々になります。
保護者の方にはお伝えすると多くの場合「怪しいとは思っていましたが、、これほどとは」と驚かれます。
こういう状態で、「今、学校でやっている単元」の勉強に明日から入ることは難しいですね。
ヒビだらけの土台を補習しながら、その上に高層ビルを建てていくというアクロバットになります。
なので、慎重に進めなければ、積み上げた物がガラガラ崩れる恐れもあるのです。
先を急いで「次のテストで10点アップを…」と言われましても、「ごめんなさいムリです」としかお答え出来ません。
最低限、半年は我慢していただきたい。
とはいえ、その半年間が子どもにとって単純に辛抱する時間とはなりません。
「ここはスッカリ忘れていたけれど、確かにこう考えれば筋が通る」
「自分がただ暗記してきた事がこういう意味を持っていたのか」
と、数学を「生きなおす」時間だからです。
保護者の声のページを見ていただくと、時間はかかるものの、着実に子どもたちが変化していく様子をお分かりいただけると思います。
急がば回れです。
基礎学力は、筋の通った勉強を継続することで築かれます。